「老後は質素に暮らせば大丈夫」―そう信じているオス化女子、いませんか?その考え、ファイナンシャルプランナーの粕谷先生にバッサリ切られます。笑いながら「老後のお金の真実」に気付ける、今回の連載をぜひご覧ください。

粕谷 紀彰(かすや のりあき)先生
1975年生まれ、愛知県名古屋市出身。元バレエダンサー。大切な家族に苦労や迷惑をかけたくないと、金融機関に転身しゼロからお金の知識を学ぶ。未来に向けた行動を起こせる人を増やすべく、テレビやラジオ出演など幅広い分野で活動。お金の「仕組み」と金融商品の「カラクリ」のわかりやすい解説や、特技である占いを交えた人生設計のアドバイスも好評。


老後は質素に暮らせばいい、そう思っている方は多いです。でも実際は、老後に入ってから「支出が増えた」という人が圧倒的に多いんですよ。

え、そうなの? 増えるって…医療費とか?

医療費はそこまで増えないです。
社会保障制度で僕らは3割負担だけど、70歳より上の方々は2割や1割だからね。大きな病気や、ガンのような長期に渡る入院などをしなければ、そんなに医療費はかからないんです。

じゃあ光熱費? 一日中家にいてエアコンつけっぱなしとか。

残念。でも方向性は良いですよ。

えーなんだろ。食費?でも食も細くなるはずでしょ?

ふふふ。正解は……
「交際費」です!
「交際費」です!

交際費?! ああ、でもそれなら私は大丈夫。だって今も交際費なんてほとんどかかってないし、これといった趣味も無いし、1人で楽しく過ごせるタイプだし。
しかも、老後に仕事辞めてから誰に会うっていうのよ。

むしろ、そこからが本番なんです。だって毎日が日曜日になるんですよ?ずっと家でNetflix見てるわけにもいかないでしょ?

たしかに…

お友達とお茶するにもお金がかかるし、じゃあお金かけないでテニスをするにしても、その後はだいたいお茶会が始まるし。お金がかからない公民館などでもよくサークルの集まりがあるけど、みんなで食べるお菓子とか持って行きたいじゃない。


そっか。今は「残業なんで~」で逃げられるけど、定年したら「あんたヒマでしょ?」ってなるのかな。

むしろ、誘う側になってるかもしれないですよ?(笑)
あとは、お子さんやお孫さんができたとして、その家族とみんなでご飯に行ったり、遊園地に行った時には、やっぱり払ってあげたいと思うものです。お孫さんのランドセルを買ってあげたいという話もよく聞きます。

なるほどな…老後はひとりで静かにって思ってたけど、今よりも誰かと一緒に過ごすことが増えるかもしれないな。

その通り。だからこそ、老後は楽しくお金を使えるように準備したほうが良いですよ。
みなさん老後は病院や薬にお金がかかるって勘違いしてますが、いやいや『健康であればあるほどお金がかかる』んです。

うわー、完全に油断してました。
あとは…人付き合いや、楽しくお金を使うことも、少しずつ練習していかなきゃって思いました。先生、ありがとうございました!
まとめ
仕事を理由に人付き合いを断ってきたオス化女子こそ、老後は「交際費の沼」にハマる可能性大。
「質素に暮らすから大丈夫」ではなく、楽しく暮らすからこそお金がかかると考えて、未来の自分のために準備していきましょう。
現役のうちにガッツリ稼いでおけば、老後なんて質素に暮らせばよくない?私、欲もそんなにないし。