だから僕は、金融の世界に飛び込んだ。バレエダンサー→ お金の不安を”ワクワク”に ー粕谷 紀彰

暮らし

各分野の専門家から、オス化女子がメスに戻るエッセンスを学ぶコーナー。今回は、当メディアで「お金の授業」の連載を持つファイナンシャルプランナー、粕谷紀彰さんに話を聞きました。バレエダンサーから一転、なぜ金融業界を選び、どんな想いでお客さまと接しているのか。そのストーリーから、不安の多い時代にどうお金と向き合うのか、ヒントが見つかるかもしれません。

ファイナンシャルプランナー 粕谷 紀彰さん
1975年生まれ、愛知県名古屋市出身。元バレエダンサー。大切な家族に苦労や迷惑をかけたくないと、金融機関に転身しゼロからお金の知識を学ぶ。未来に向けた行動を起こせる人を増やすべく、テレビやラジオ出演など幅広い分野で活動。お金の「仕組み」と金融商品の「カラクリ」のわかりやすい解説や、特技である占いを交えた人生設計のアドバイスも好評。

元バレエダンサー。芸能の世界から金融業界へ

幼少期にタレントを志し、高校生の時にクラシックバレエと出会い、踊る楽しさにのめり込んだという粕谷さん。その後クラッシックバレエダンサーとして活躍した。怪我によって舞台を降りてからも、歌や芝居など、芸能の道で生きていくことを目指していたという。

「この業界って、一見華やかに見えると思うのですが、生活はすごく不安定で。いつチャンスが巡ってくるかわからないオーディションのために、予定を空けておきたいので基本バイト生活。それでも当時は、目の前のやりたい事に一生懸命だったんですよね。」

やりたい事ができている充実感と引き換えに、お金には苦労していた。

「でも歳を重ねるにつれて、漠然と将来への不安が大きくなっていきました。今までお金の勉強なんて全くしてこなかったから、どうしたら良いかわからないし、相談できる人もいなかった。同業の仲間も、同じようにお金に苦労している人は多かったように思います。」

「お金が無いことで他人様に迷惑をかけたくないし、このままじゃ結婚にも踏み切れない。そろそろちゃんとしたいと思って、いくつかの一般企業を経て、40代にして思い切って金融機関に転職したんです。お金の勉強をするなら、その業界に入ってしまおう!ってね。」

ゼロから学んだ金融知識を、多くの人へ届けたい

こうしてゼロから金融知識を身につけていった粕谷さん。金融に関する資格は片っ端から取得し、名刺に書ききれないほどの肩書きと、実務に裏打ちされた厚みのある知識を備えた。

「金融知識を身につけていく中で、この知識をより多くの人に届けたいという想いが強くなっていってきました。そんな時に、元々芸能の世界にいたことが高じてか、ご縁あって地上波テレビに出演してお金の話をする機会を頂いたり。ラジオ番組にレギュラー出演したり。また、ミセス関西コレクションに出場する女性たちに向けて、教養としてのお金のセミナーをしたり。最近では、チームを組んで各地で女性向けのマネーセミナーを運営しているんです。」

そして当メディアでの連載も始まった。ファイナンシャルプランナーとして、枠にとらわれず活動の幅を広げている。

まず自分がワクワクできること

そんな粕谷さんには、大切にしているテーマがあるという。

「自分がワクワクできることを大切に、日々過ごしています。まずは自分がワクワクできて、それが溢れたら、目の前の人をちょっとだけワクワクさせてあげられる。それがお客様のワクワクに繋がっていると、そんなイメージを持っているんです。あ、ただ、自分のワクワクのためと言い訳して、ついついご褒美のスイーツを食べ過ぎちゃうんですけどね。(笑)」

「だから、FP相談に来てくださる方々にも、今この瞬間をワクワクして過ごすことを大事にしてほしいと思っています。でも、お金についてただ『知らない』ことで、漠然と不安になっている方もいらっしゃいます。将来や老後といった遠い未来の不安のせいで、今目の前のやりたい事に打ち込めない人もいるでしょう。かつての僕のようにね。そこを解消して、ワクワクに変えてあげたいですね。」

次回、粕谷さんの連載では、女性に必要な金融知識や、オス化女子が陷りがちな悪パターンなどを発信していく。一緒に勉強していきましょう。